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建築DX

2D図面を3D・BIMに変換するには?3つの方法と選び方を解説

BIMの活用が広がるなかで、多くの建設会社・設計事務所が直面するのが「既存の2D図面をどうBIM化するか」という課題です。この記事では、2D図面を3D・BIMに変換する3つの方法を、工数・コスト・精度の観点から比較し、自社に合った選び方を解説します。

なぜ既存の2D図面をBIM化するのか

新しい物件をBIMで設計する企業は増えています。しかし、多くの企業には、長年かけて蓄積してきた膨大な2D図面(CADデータ)があります。これらが2Dのまま眠っていると、BIMの恩恵を一部の新規案件にしか広げられません。

過去の2D図面をBIM化できれば、次のような活用が可能になります。

  • 既存建物の改修・リニューアル設計に、BIMモデルを土台として使える
  • 干渉チェックや数量集計を、過去物件にも適用できる
  • 竣工図をBIM化し、維持管理に活かせる

公共事業を中心に進むBIM活用

BIM化を急ぐ背景には、公共事業の動向もあります。国土交通省の直轄土木業務・工事では、2023年度からBIM/CIMの原則適用が始まりました(国土交通省「BIM/CIM関連基準要領等」)。建築分野でも、建築BIM推進会議のもとで標準化や建築確認への活用が進められています。発注者からBIMでの対応を求められる場面は、今後さらに増えていくと考えられます。

2D図面をBIM化する3つの方法

2D図面をBIM化するアプローチは、大きく3つに分けられます。

1. 自社で手作業でモデリングする

設計者がBIMソフトを使い、2D図面を見ながら3D・BIMモデルを作り直す方法です。

  • メリット:自社の意図どおりに細部まで作り込める。社内にBIMのノウハウが蓄積される
  • デメリット:1案件あたり数日〜2週間以上かかることもあり、時間的な負担が大きい。BIMを扱える限られた人材に作業が集中し、属人化しやすい

新規設計と並行して過去図面のBIM化まで自社で抱えると、現場の負荷は一気に高まります。

2. 専門業者に外注する

BIMモデリングを専門会社に委託する方法です。

  • メリット:社内の工数をかけずに済む。専門業者の品質に期待できる
  • デメリット:1件ごとに費用が発生し、変換したい図面が多いほどコストがかさむ。図面の意図や仕様を伝えるやり取りにも手間がかかり、納期も業者の状況に左右される

少数の重要物件を確実にBIM化したい場合には有力ですが、大量の図面を継続的に処理する用途にはコスト面で不向きです。

3. AIによる自動変換を使う

近年は、AIが2D図面を解析し、3D・BIMへ自動で変換するシステムが登場しています。

  • メリット:変換にかかる時間を大幅に短縮できる。誰が依頼しても一定水準の品質が得られ、属人化を避けられる。図面が多いほど効果が大きい
  • デメリット:図面の表現や仕様によっては自動変換が難しい部分があり、最終的な確認・調整は人の手で必要になる

3つの方法の比較

観点手作業外注AI自動変換
工数(社内)
コスト人件費件数に比例抑えやすい
スピード遅い業者次第速い
品質の安定担当者次第業者次第安定しやすい
属人化しやすいしにくい

どの方法を選ぶべきか

選び方の目安は、「変換したい図面の量」と「目的」です。

  • 少量で、作り込みを重視する場合 — 手作業や外注が向いています。重要物件を確実にBIM化したいケースです
  • 大量の図面を、継続的にBIM化していきたい場合 — 工数と属人化の問題から、AIによる自動変換が現実的な選択肢になります

特に、過去の竣工図を含めて全社的にBIM化を進めたい場合、手作業だけでは現場が回りません。スピードと品質の安定、そして属人化の回避を両立できるAI自動変換は、有力な手段といえます。

AI自動変換システム「MiraiCAD」

弊社が開発する MiraiCAD は、2D図面から3D・BIMへの変換をAIで自動化するシステムです。これまで専任者が2週間以上かけていたBIM構築を約30分で自動生成し、生成後は日本語での修正指示にも対応します。

さらに、過去の変換前・変換後のデータを取り込むことで、AIが御社独自の設計ルールや作図のクセを学習し、変換の精度を高めていく仕組みを備えています。図面の量が多いほど、効果を実感しやすい設計になっています。

BIM化を始める前に押さえておきたいこと

どの方法を選ぶ場合でも、進める前に整理しておきたいポイントがあります。

対象とする図面に優先順位をつける

手元のすべての2D図面を一度にBIM化する必要はありません。「改修予定がある物件」「今後も参照する頻度が高い物件」「発注者からBIMを求められている案件」など、BIM化によって効果が出やすい図面から着手するのが現実的です。優先順位をつけることで、限られた工数や予算を効果的に使えます。

変換後の確認・調整を前提に計画する

手作業・外注・AI自動変換のいずれであっても、変換した直後のモデルがそのまま完成形になるとは限りません。図面の表現や情報の欠落によって、調整が必要な箇所は生じます。「変換して終わり」ではなく、「変換後に誰がどう確認・修正するか」までを計画に含めておくことが、BIM化を実務で機能させる鍵になります。

モデルに求める詳細度を決めておく

BIMモデルは、どこまで細かく作り込むかによって、必要な手間が大きく変わります。意匠の検討に使うのか、干渉チェックに使うのか、数量集計に使うのか——目的によって必要な情報の粒度は異なります。「何に使うモデルなのか」を先に決めておくことで、過剰な作り込みによる無駄を避けられます。

BIM化でよくある疑問

すべての図面をBIM化しないといけないのか

いいえ。前述のとおり、効果の出やすい図面から優先的に進めるのが現実的です。すべてを一度にBIM化しようとすると、コストも工数も膨らみます。

古い図面や手書き図面でも変換できるのか

図面の状態によります。線や文字が明確なCADデータは扱いやすい一方、スキャンした古い図面や手書き図面は、そのままでは変換が難しい場合があります。まずは手元の図面がどのような形式・状態なのかを確認することから始めましょう。

変換にはどれくらいの時間がかかるのか

方法によって大きく異なります。手作業では1案件あたり数日〜2週間以上かかることもありますが、AIによる自動変換では、図面1枚あたりの処理を大幅に短縮できます。継続的に大量の図面を扱うほど、この差は積み重なっていきます。

AI自動変換なら完全に自動で終わるのか

AIによる自動変換は、変換にかかる時間を大幅に短縮できますが、図面の仕様によっては自動では補いきれない部分があります。最終的な品質を担保するには、人による確認・調整を組み合わせる前提で考えるのが安全です。

社内にBIMができる人がいなくても始められるのか

BIMを扱える人材が社内にいないことは、多くの企業に共通する悩みです。外注やAIによる自動変換を活用すれば、専任者がいない状態でもBIM化に着手することは可能です。ただし、変換後の確認や、BIMをどう業務に活かすかの判断には、最低限の知識が必要になります。外部の力を借りながら、並行して社内のノウハウを少しずつ育てていくのが現実的な進め方です。

まとめ

2D図面のBIM化には、手作業・外注・AI自動変換という3つの道があります。

  • 少量で作り込み重視なら「手作業」または「外注」
  • 量が多く、継続的に進めたいなら「AI自動変換」

公共事業を中心にBIM活用が広がるなか、2D図面のBIM化は多くの企業にとって避けて通れないテーマです。図面の量と目的を見極め、自社に合った方法を選ぶことが、BIM活用の第一歩になります。

参考・出典

CAD自動変換システム

2D図面のBIM化を、AIで。

MiraiCADは、2D図面から3D・BIMへの変換をAIで自動化するシステムです。これまで専任者が2週間以上かけていたBIM構築を、約30分の自動生成に。図面のBIM化にお悩みなら、ぜひご覧ください。

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